医学部受験生の中には「研究がしたい」という生徒が少なくありません。「病理学に興味がある」もいますね。もっと言えば「私は臨床に向かないと思います」という生徒さんに会うこともあります。
まず大前提として、医学研究をするためには必ずしも医師免許は必要ありません。他学部卒の優秀な基礎医学研究者も大勢います。ちなみに2015年ノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智教授は山梨大学学芸学部(現:教育学部)卒で、微生物を本格的に勉強し始めたのは29歳の時です。
もちろん18~19歳で将来の道を狭く絞る必要はありません。「まずは医学部に進学して医師免許を確保しつつ、本音としては研究もしてみたい」のが研究医を目指す生徒の実像でしょう。
では、研究の道に進みやすい私立医学部はどこでしょうか。
まず、私立医で研究医枠を設けている大学は、現在は順天堂・金沢医科の2校のみです。ただ、もちろん他の医学部でも研究医を目指すことは出来ます。その際、当該大学に「基礎研究医プログラム」が設置されているかどうかを確認しましょう。
HPから得られる情報は限られているので、できれば大学の担当者に直接話を聞きたいところです。以下、私が伺った話を載せますので参考にしてみて下さい。
大枠としては、
- 研究がしたい生徒を積極的にバックアップする。毎年一定数の学生が研究医を志望していて、体制も整っている。
- 研究がしたい生徒は少数派で、サポート体制があまり整っていない。
↑↑これが最初の分かれ道です。仮に②だとしても、大学の担当者様は「本学では研究医は目指しにくい環境です」とは言わないので注意が必要です。具体的なプログラムがあるかどうかを確認してみるとよいでしょう。
【岩手医科】
・本学の場合、研究に進む子はほぼいません。臨床がメインです。
・基礎講座の教員の成り手は少ないので、研究医は重宝されると思いますよ。
【北里大学】
・研究室に所属して論文を書くことはできる。でも実習等で忙しいので書く人はほとんどいません。学年120人中、2~3人くらい。
・医師免許を持つ基礎系の研究者は不足している。意欲と能力があれば研究の道に進むことは可能。
→研究を支援する国の制度も始まっている。研修期間を短くして、その分、論文を書くことに充てるイメージ。
・「基礎研究医プログラム」とググると厚生労働省の資料が出てくる。
・国試に通ったあと、研修先として基礎系を募集している大学を選ぶとことを勧めます。ちなみに北里の場合、北里大学病院に残るのは30人ほど。外に出て行く生徒の方が多い。
・医学部の授業を担当する人を確保するのは大変なので、臨床よりも研究・教育の道を選ぶ人には一定のニーズがありますよ。
【聖マリアンナ医科】
・4年で必ず研究室に入ってもらいます。病理の専門家の研究室があるかもしれないので、そこに入ると良いです。
【藤田医科】
・研究にはものすごく力を入れています。
・「指導教員制度」は、卒業後、さらに2年間続きます。
・スチューデントリサーチャープログラムがあります。パンフの〇〇ページにあるので読み込んでみて下さい。
筆者の所感:藤田医科は非常に意欲的な大学。学生の多様なニーズに応えようと努力している印象で、「自分の興味」を突き詰めやすい大学と感じます。
【大阪医科薬科】
・5年時に何らかの研究室に入って、論文を書こうと思えば書けます。
→外科に興味がる人は外科の先生の研究室に入る、というカタチで、興味に応じて分野が別れて行きます。そこで自分が研究したい分野を選んでください。
【川崎医科】
・病理の道に進む人も、国試に行くまでのカリキュラムは基本的に一緒。免許を取るには臨床研修もしなければなりません。
筆者の所感:川崎医科には、病理などの基礎研究に行く人はいないのかな…と感じました。
以上、一部の大学のみになりますがご紹介でした。
なお上記の情報は、日経新聞が主催する「医学部進学フォーラム2024」に参加した際に、各大学の担当者様に話を伺ったものです。このイベントは2025年6月にも開催予定で、国公立11大学、私立28大学、海外5大学の医学部入試担当者から直接話を伺うことができます
https://events.nikkei.co.jp/73216/
もし遠方にお住まいで参加できない方は、私(東京麹町校校舎長)が代わりに伺って参りますのでお問い合わせ下さい。
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医学部予備校メディセンス
代表 垣本真吾
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