海外医学部への進学を考えている受験生が真っ先に思い浮かべるのがハンガリー国立大学医学部でしょう。日本人の受け入れを始めて20年近く経っており、日本における海外学部進学の先駆け的な存在です。
今回は、私がハンガリー医学部事務局の説明会に出席し(2025.5.24)、興味深く感じた点をつらつらと述べたいと思います。
・現地ハンガリーで学ぶ日本人医学生は、約550名。
・在留邦人は1800人⇒3人に1人が医学生で、大きなコミュニティを成している。
・EU加盟国は27。ハンガリーはそのうちの一つ。
・面積⇒北海道と青森を足したくらい。
・人口990万。大阪府(880万人)よりも少し多いくらい。
・日本の医学部は全国で82校。ハンガリーは4校。ちなみに大阪府にある医学部は5校。
・その4校はいずれも国立で、日本人留学生は4校にほぼ均等に分かれる。
・「何を基準に入試をするのか?」。日本とハンガリーでは視点が異なる
日本⇒現時点で、あなたは何を知っていますか?
「今までの自分」が問われる。過去の過ごし方と、その帰結としての現在が。日本の医学部受験生は約12万で、合格者は1万。入り口のハードルが高い。
ハンガリー⇒あなたはこれから何をしますか?
「足りなければ補えばいい」という発想。基準点に達しない子は予備コースで学ぶ。基準に達していれば二次試験へ。受験生200名で、合格者100名。間口は広い。しかし最初の3年間のハードルが高い。
「簡単に医師免許がもらえたら、患者さんが困ります。医師になる大変さは、日本もハンガリーも同じ。どこかのタイミングで大変な試練が来ます」by事務局
他にも興味深い話が色々とありましたが、この先は当校までお問い合わせ頂ければと思います。
私個人としては、ハンガリーがこの制度を導入する(ハンガリー側の)メリットが気になりました。以前、事務局の方に「外貨獲得とかそういう趣旨でしょうか?」と質問したところ「まあそんなところですかね…」とやや曖昧なお答え。ちなみに米国への留学者は2025年春の時点で110万人を超え、外貨獲得およびアメリカの安全保障に大いに寄与しています。海外の(できれば優秀な)留学生を獲得することは、国の政策として重要度は低くありません。
・ハンガリーはEU加盟国であり、アジア人からするとそれなりの安心感がある。
・日本の医学部入試はペーパーテスト重視で難しいので、人間性に優れていても突破できない受験生が一定数いる。
・何としてでも子息に医師免許を取らせたい医師のご家庭は少なくない。
・英語をマスターできることをメリットに感じる日本人は少なくない。
以上の事情が重なり、日本に事務局を開設するに至ったのでしょう。他国も追随していることからすると、この判断を最初に下した方は慧眼の持ち主だと思います。
ハンガリーに進学する受験生の大半は、帰国後に日本の国試を受験する予定のはずです。メディセンスがハンガリーに送り出した生徒は留学経験が豊富で英語が堪能でしたが、やはり帰国後に日本の国試を受験予定です。曰く、「EUの免許はEU内でしか使えない。オーストラリアや米国では使えないので…」「ヨーロッパでは移民としてしか働けないので…」。アジア人がEU圏内で働くのは、おそらく簡単な道ではないはずです。
海外医学部の水が「合う」「合わない」は人によります。不確定要素が多いぶん、今までの「数値」をしっかり見たいところです。今まで何人の日本人が海を渡り、何割が途中で帰国したのか。卒業した日本人は平均何年かかったのか。卒業生の、日本の国試合格率はどれほどか。事務局の方はある程度教えてくれますので、その情報を基に自分で判断することが重要です。
私は、
・6年で卒業する生徒は半分
・帰国後、日本の国試にスムーズで受かる生徒は半分
と判断しています。卒業も国試も全て順調に行く子は2割ほどではないかと。
茨の道です。ただ、日本の医学部も十分、茨の道なのです。
・日本の医学部に現役で入るのは難しい(特に一般入試は)
・日本の医学部の倍率は10倍ほど(医学部を断念して他学部に進学する生徒の方が多数派)
・日本の医学部に入学し、その後ストレートで国試に合格する子は8割ほど
ということを考えると、どちらの「イバラ度」が高いのか、やはり人によります。私が海外医学部に向いていると思うのは、
・語学は得意
・留学経験あり。外国人とのコミュニケーションに抵抗はない。
・数学が苦手
・理科は好き
・医学を学びたい
・保守的な空気は苦手
・人が行かない道を進んでみたい。
といったタイプです。
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医学部予備校メディセンス
代表 垣本真吾
略歴: 灘高校、東京大学卒業
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