昔の教え子に、とても印象的な生徒がいました。今現在(2025年5月現在)、昭和医科大学の3年次に在籍する医学生です。彼女は6浪時に東京医科にも正規合格し、結局、昭和に進学しました。
6浪女子が東医や昭和に通るのはレアケースですが、だから彼女が印象的だと言いたい訳ではありません。英語講師として、彼女の英語力は非常に興味深いものでした。と言うのも、五文型や品詞の役割といった文法項目を全く知らないにも関わらず、長文の正答率は極めて高かったのです。
母国語を身につける際に文法から入る赤ん坊はいません。日本人は「連体詞」「格助詞」といった概念を知らないまま日本語を身につけますが、彼女は海外経験がないにも関わらず、英語を英語のままに身につけていました。
その秘訣は彼女が徹底的に手ほどきを受けた「音読」にありました。曰く、高校時代に通った吉祥寺の英語塾が、今から思えば特殊だったと。文法の講義はせずに、まるでマントラのように英語を何時間でも徹底的に音読させるらしいのです。マンションの一室で、狂ったようにひたすら音読していた、と。
私が会った時、彼女はセンターレベルの長文であれば恐るべき速さで完答していました。これは彼女の中に、完全に英語回路が確立されていたことを意味します。ただし文法はからっきしで医学部を突破するにはイビツな英語力だったので、受験英語のセオリーを一つ一つ教授して行きました。
ここでのポイントは2つです。
- 音読を、極端なまでに仕込んでくれる塾があったということ
- 彼女が言われた通りに実践したこと
まず①について。
英語講師なら、音読が有効なことは分かっています。机上の講義を1時間受けたら、その後で音読を1時間するくらいで丁度いい。英語は半分スポーツなのですから、英語の理論的な勉強をしたら、その後で音読をするのは当然すぎるほど当然なのです。野球選手なら誰でも素振りをします。野球の理論書を読むだけで上達するから素振りはしなくていい、と教えるコーチは存在しません。
ただ、英語講師の場合、音読をそれほど強調しないケースの方が多いでしょう。ここには構造的な問題があります。講師は生徒の前で話をして「なるほど」「分かった」と思ってもらわねば商売が成り立ちません。授業の半分を音読指導に費やす高校教師や予備校講師は年間カリキュラムをこなせないでしょうし、生徒からの評判も芳しくないかもしれない。音読の重要性を分かっていながら「ここ大事だから音読しといてね~」くらいで終わってしまうケースが多いのです。
むしろ英語講師でない人間の方が堂々と音読の有効性を生徒に語っていたりします。学生チューターさんや他教科の講師の先生の方が熱心に音読を勧めるという光景も見られます。
東進ハイスクールの安河内先生や今井先生など「音読‼」と強調する先生もおられますが、一時期のブームは影を潜め、音読が英語教育のメインストリームを占める時代はついに来なかったというべき状況でしょう。しかし今の共通テストの情報量を見ると「英語を英語のまま理解する」回路の養成は必要不可欠です。精読だけでは乗り切れません。今こそ音読をすべきです。
次に②について。
前述の女子生徒は「とにかくやってみる」素直さを持ち合わせていました。むしろ素直すぎるくらいの性格だったので「狂ったように何時間も音読」していたのでしょう。「だまされたと思ってやってみる」かどうかが運命を分けます。
音読の細かい方法論については、他にいくらでも書いてくれている方がいますので贅言は控えます。私(英語講師して20年以上教壇に立っています)からは、
・医学部受験においても音読は超有効であること
・英語講師が強く音読を勧めない場合、そこには構造的な理由があること
・周囲に勧める人間がいなくても必ず実施すべきであること
を強調しておきます。
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